ハブダイナモ風力発電その3
風雪に耐えた2号機も経年には勝てず。
回転と共に主軸から異音が発生するようになった。
オーバーホールして延命の処置もあるが(構造上無理?)、これを機会に新しい風発(筒型回転)を作ってみた。
それにしても、自転車の前輪に取り付けて正規の発電をする場合に比べて、その寿命は幾ばくか短命であったような気がしないでもない。
ただ、スポークで均等に負荷を分散した本来の使用と比べ、軸のみで自重(回転翼を含む)を支え、加えて横方向からの強烈な風圧という、本来想定していない負荷を考えれば、やはり、それはやむを得ないことか。それどころか、1号機で経験した想像を超える風圧によくここまで耐え忍んで楽しませてくれた、と褒めてやりたい。
3号機のハブダイナモは「Pnasonic」とあるが、説明書ではシマノ製
DH-2R30J 36H 155X1002.4W/3.0W:2.4W 。

自転車の車輪を横にして、風圧の異なるブレードを取り付け、回転させようという魂胆。
3号機は筒型回転翼。
ブレードは雨樋。
支えの穴と、20インチホイールのスポーク穴のスパーンが偶然に一致し加工なし。
ブレードの背はできるだけ風の抵抗を受けないモノがよい。
スポークに黄色の伸縮チューブを被せて(錆び防止と装飾)組上げたところ。 当初、ブレードは左右対象に4枚を予定してしていたが、ふと、非対称の方が打ち消すほうの負荷が少なくなるのではと思って、3枚に急きょ変更。
回転翼の雨樋の支えを90°曲げてリムのスポーク穴にボルトナットで固定。
ダイナモの軸にL型金具とイレクターをU字ボルトで固定。 ハブダイナモつきの車輪があればそのまま利用できる。
ダイナモの頭には、100円ショップのオタマ(ステンレス)の柄を取り外して取り付けた(一応防水用)
支えに長さ45センチの樋を取り付ければ完了。
(ホームセンターで長さ90センチの樋を2本買ったので45cmの長さになった)
構想がまとまれば、製作は2号機に比べ簡単で安上がり。
但し、ホイールを組んだ経験のない人は自転車屋さんにお願いした方が無難 !?
一応完了、と思いきや、どうも回転が鈍い。
風力やブレードの位置によっては翼のバランスがたもたれて(回転が打ち消しあって)回転しない。
そこで、当初の計画戻って、ブレードを左右対象に取り付けることにした。
やはり、対象としたほうが風を受けるバランスがよく、面積も広いほうが効率がよい。
そこで、スポークも組みなして、ブレードを左右対称に2組4枚とした。 余計な手間がかかった。
   風見鶏を取り付けて  完成 2号機のプロペラ型と違って、この筒型回転の風発は、風の方向に関係なく回転するために、風の向きがわからない。





2号機のプロペラ式は、風の方向を尾翼がキャッチして風上に頭をむけたところで、3枚のブレード全面に風を受けて回転する。よって効率が良い。また、ブレードの角度や面積に応じて回転する早さや力がコントロールできる。
対して、3号機の筒型は、風の方向に関係なく、風力を受ければすぐに回転しようと力が働く。しかし、風向に対して右側半分と左半分のブレードの風圧の差が回転する力となるため(常に対面のブレードがブレーキとなる)風を全面で受けるプロペラ式と比べ効率は悪い。場合によっては、障害物等で気流が乱れたときなど逆回転することもある(ある日逆回転している3号機を見た時、その目を疑った。いわゆるビル風で、背を向けたブレードに風が吹き込んだもの)。
また風見鶏を取り付けなければ風向が分からないため、なんとなく寂しい。
2号機と比べ勝っているところといえば、ダイナモに多少優しいところと、そこそこの強風でも不安がない、というより、ある程度の強風が吹いて3号機の実力が発揮されるところぐらいか。
ともあれ、自転車のライトを照らす程度の発電である。多くは望めない。しかしLEDの進化は凄まじい。狭い庭ならそれなりに用をたす。
ただし、それなり以上の風が吹いた時の話である。


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