ハブダイナモ手回し発電機
風力発電は風任せ、自転車発電はそれなりのスタンスが必要である。そこで手軽に発電出来る手回し発電機を作ってみた。といっても風力発電機で使ったハブダイナモだからたかが知れている。
構造は自転車のハブダイナモを手で回して発電しようという魂胆だから極めて単純である。
今回使用したダイナモはディスクブレーキ対応のシマノHB-NX70(出力3.0W)
(風力発電で使ったダイナモはHB-NX70 6V 2.4W)
先ずどのようにしてダイナモを回転させるかという問題に突き当たる。
当初、幼い頃の記憶にある足踏み型ミシンの原理で、足踏みによる発電機を試みた、と言うのも今回の発電機は災害時等の非常用電源としての利用を一つの目的としている。だから足を使えば手が自由になる。非常時の携帯や無線機も使えるし、にぎりめしだって食えるからひもじい思いをいをしなくて済む。

しかし、足踏み型の試作をいくつか試みたがどうもうまくいかない。
「それじゃぁ自転車に取り付けてペダルを回せばよいではないかと」いう人の声を聞いた時はなんだかとってもむなしくなった。
そこで、風力発電と同じく平素電池を充電をしておくことにした。そうすれば手回しにしても必要な時は手が自由に使える。 

写真は解体したママチャリのフリーホイルをダイナモのディスクブレーキを固定する溝にボルトで固定したところ。(固定には風力発電で使用した翼の複合版の余りを丸く加工して取り付けた)
手回し発電機3点セット。
フロントギア部分は使わなくなったミニサイクルを金切りノコやグラインダーで切断した。
チェーンはチェーンカッターで長さを調節。
取り付け台。
工事現場から拾ってきた板にペイントした。
背後の角は解体した自転車のフロントフォークを切断しネジ止めしたもの。ここに本体をクイックレリーズ(ワンタッチ着脱器)で固定する。

ハブダイナモは交流(AC)で発電する。
よって直流に変換しなければならない。
(回路は風力発電とほぼ同じ)
右側のメーターは充電池通過前の電圧。
左のメーターは充電池通過後の電圧。
回路左の白いボタンは充電池電圧確認用のスイッチ(平素は「キル」にしておかなければ電池が消耗する。
中央の発光ダイオード上の黒い小さな物体は12Vのレギュレータ。
回路の下は1.2Vの単三充電電池4本を直列。

回路図
ハブダイナモ単体では30V以上の出力がある。しかし負荷がかかれば6〜9Vとなる、そこで試験的にハンディー無線機を受信状態で電源を直接供給し(製作途中でまだ充電池を買っていなかった)調子よくペダルを手で回していたら無線機の電圧表示が16Vまではね上がりそこで一定となった(無線機の保護回路が働いたと思われる)よって安心して回していたらいきなりプッツといって(プッツと言ったかどうかハッキリ覚えていない)それっきり電源が入らなくなった。

後日メーカーに修理の見積もりを出したら12000円との返事があった。なんだかとっても腹が立ってきた。
そんな訳で12V以上の電圧が出ないようレギュレータを組み込んだ。(受信状態での負荷はかなり小さい)
しかし、電源は必ず充電池を通して取り出す事にしたため(6.4V位から上がらない)、現在はレギュレータは配線していない。

メーターは100エンショップのバッテリーテスターのメーター部分。9V用の配線を取り出した。ケースも100エンショップの木の小物入れ。

制御BOXの背面
左がダイナモ発電からAC in 右がDC out.

組立て完了。
木ねじ1本とクイックレリーズで固定しているが安定性に不安はない。但し切断したフレームを木の台にハンマーで少し打ち込んでいる。
手回しで発電(充電)しているところ。
見にくいが右のメーターがイエローとグリーンゾーンの境(約7.2V)
左のメーターがイエローゾーンのほぼ中央(約6.4V)
無線機1Wの出力確認
電圧を上げすぎてFT-729が再起不能となった為、VX-7を買ってしまった。
外部電源アダプターを接続すると乾電池モード(Drycel)となり電圧は4.0Vに落ちるが出力1Wで送信が可能。
携帯電話の作動確認
100エンショップで買った携帯の乾電池用充電器に端子を接続し携帯電話を充電しているところ。
6V3Wの自転車のハロゲンランプ。
その他使い方いろいろ(但し6.4V約1Aまでの電気製品)
手回し発電機の単純出力測定結果
電流 負荷の状況 電圧 備考
AC 負荷なし 44V 瞬間最大
AC 充電電池接続時でダイオードブリッジ通過前 9.6V ほぼ安定
DC 負荷なし 34V 瞬間最大
DC 充電電池(1.2Vx4本)接続時で電池通過前 7.2V ほぼ安定
DC 充電電池接続時で電池通過後 6.4V ほぼ安定

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手回し発電機制御ボックス配線図