太陽光発電について


ある晴れた日の早朝、知人から「中古だが高性能のソーラーパネルがあるらしい」との情報が入った。
早速その情報を元に「ソーラーハウス」を目論み、ソーラーパネルの入手に奔走したものの、結局予定の枚数が集まらずやむなく断念。
そこでソーラーパネルと蓄電バッテリーを使った小規模な独立型太陽光発電を試みることにした。

以下は入手したソーラーパネルの概況である。
尚現在、独立型となった太陽電池は100Ahのバッテリーを毎日せっせと充電しガーデンライトや子供のテレビを映してくれている。

太陽が電気に変わって生活の一端を担う様子はちょっとした感動である。
それにしても毎日毎日東の空から輝いて現れる「お天道様」には計り知れないパワーを感じる今日この頃であります。


入手したソーラーパネルの概要及び出力特性
メーカー SANYO
種  類 多結晶シリコン太陽電池
外形寸法 985mm×445mm×35mm
周囲温度 -10℃〜40℃
防  食 アルミ枠はフッ素樹脂塗装による塩害対策仕様
最大出力 50.7W
動作電圧 17.7V
動作電流 2.87A
開放電圧 21.8V
短絡電流 3.10A
製造年月日 平成6年?月?日
重  量 約 5.8キロ (本体のみ)
その他 逆流防止ダイオード付き
現 状

今まで設置してあった架台との接合面はそれなりのスリキズやアルミ特有の劣化が認められるものの性能そのものに劣化は殆どなく10年の経過年数を感じさせない。

ソーラーパネル展示会場のオヤジにパネルの寿命を尋ねたら「この手のパネルは経年による劣化は殆どなく40年前に取り付けたのが今でも立派に発電しよるから、いつまで持つかと聞かれてもちょと分からん」と答えてくれた。


耐用年数についてメーカーに問い合わせたところ、次のような回答があった。
「一応20年ということでお答えしております。というのは、ソーラーパネル本体の寿命というより、本体を構成している一つ一つのパーツ耐用年数の最長が20年となっているためそのようにお答えしています。もちろん20年以上使用されているのも数多くあるようです」
       
確かにアルミ枠の架台取り付け面にはそれなりの劣化が認められる。また工事中や運送途中などに付いたと思われる細かなキズもある。
しかし、改造やその後の特殊な加工などは認められず実用性には問題ない。
アルミ枠や裏面のパネルにはフッ素樹脂塗装が施されている。 背面に貼られた規格書の文字は読み取れないところもあるが、ボックス内は錆もなくキレイ。(写真下)


表面は目立ったキズもなく程度は良い。
(噂によれば約10年間定期的に手洗いによる清掃を怠っていなかった、とのことであります)
ケーブルは独立型として扱いやすいようVCTF1.25(2芯)に交換。
(左右の受けネジの一部破損については補修済み。但し高トルクでの締め付けには耐えられない)


バスポンプによる揚水実験

ソーラーパネルで水中ポンプ(浴槽から洗濯機へ移す家庭用のバスポンプ)を稼動させた時の状況について
実施日  4月25日(日) 晴 気温21°11:00

12V1Aの家庭用バスポンプにソーラーパネルを直結しその揚水状況を確認してみた。(写真の右から、傾斜計、内径12ミリのホースに散水用ノズルを棒にくくりつけたもの、バスポンプ 12V1A、テスター)
当日(やや霞)の負荷をかけない時の電圧は19.7V


尚、揚水の高さは目測。
ポンプをセットし、パネルのケーブルにクリップで接続すると勢いよく約3m(水面から約4m)の高さに噴水した。
使用したポンプの能力の限界と思われる(規格は内径15ミリのホースで最高揚程2.5mとなっている)
    写真ではちょっと見にくいが水は勢いよく出ている。
このときの電圧は17.90V。
次に端をセル半分約5cm(約5%)タオルで覆ってみると水の高さは約1.7mとなり電圧は14.0Vとなった。
更に10cm(セル1列)覆うと水はいきなり3cmの高さとなり、電圧は5.1Vに下がった。
更に15cm(セル1枚半)覆うと遂に水高0となった。電圧4.1V       
ノズルを水面からの高さと方向を変えた時の状況(垂直より当然パワーがある)
ソーラーパネルは約10cm四方のセルが9枚x4枚計36枚、Z状に直列に接続されている。よって、そのセルの一部が影になるとその部分で電気の流れが寸断され、急激にパワーダウンするものと思われる。(移動途中影がパネルをよぎると勢いよく揚がっていた噴水がストンと落ちる。影がなくなると当然だがまた勢いよく揚がる。但し負荷をかけていなければ影があっても電圧は殆ど変わらない。当日は白いタオルで縦に覆ったが遮光性の高いモノを使ったり、パネルを横に覆った場合などまた微妙に異なった結果になったと思われる。)
即ち、ソーラーパネルは100%太陽の光を受けていなければならない。
少しでも影を受けるとただのガラスケースになりかねない。

ところがパネルの設置角度については次の通り意外な結果となった。


ソーラーパネルの角度と水圧について

当日の太陽の高さ(仰角)は約60°
ソーラーパネルの角度約30°
ソーラーパネルを約70°にした。
噴水は衰えることなく勢いよく揚がっている。
ソーラーパネルを約80°にしても水圧に殆ど変化はない。
ほぼ垂直にしてたところで約1mほど下がった。
次にソーラーパネルをほぼ水平にしてみたが水圧に変化はない。
更に -10°傾斜してみたが、水圧は多少下がった程度で思ったほど大きな変化はない。

今回判明したことは全面に日光さえ当たっていれば、角度は神経質になる必要なし。
(季節や使用ポンプの仕様等により結果は異なると思われる。上記は参考までに)



設 置 例

架台は市販のアングルを組み立てた。
長さ45センチと60センチのL型アングル、それに角度調整を兼ねた補強金具30センチ各1本が左右で1セット。
日当たりの良いベランダの床や庭また陸屋根には60cmのアングルをパネル側に取り付け短いアングルを設置面に固定した方が見た目も収まりも良い。
フェンスに設置したところ。
45センチのアングルをパネル側に取り付けています。
写真はS型金具で簡易に設置しているが、ネット背面からアングルとボルトで確実に固定した方が安全。
太陽光パネル2枚設置例

木製の設置台を製作した。
材料代(2x4材)約1500円、意外と安い (但し廃品を利用したドーリーを除く)
写真はソーラーパネル2枚を並列に取り付けたところ。撮影は夕刻であるが台を移動させパネルはどうにか働いている。
 
チャージコントローラーと105Ahの蓄電池
取り付け台と架台(アングル)は先端がL型になっている木ねじで固定した(引っ掛けた)。
アウトドアで使用する場合のため、少しパネルを持ち上げるだけで簡単に取り外しが出来る。安全性に今のところ不安はない。
上段のパネルの影が出来るだけ映らないよう下段のパネルは60センチのアングルをパネル側に取り付け前方へ突き出した。
また角度も上段を約50度下段を約30度。
ソーラーパネル2枚を並列に接続し架台(L型アングル120センチ、90センチ、60センチ)に取り付けた。
  

 
チャージコントローラーと配電盤(ちょっとごゴチャゴチャになりすぎた) 左電流計 右電圧計 そろそろ充電も完了。


手動式のサブバッテリー充電の切り替えとソーラーパネルの着脱を簡単にしたBOXを追加した為さらにゴチャゴチャになった。
(たまにBOXを開けてみるとどのように配線していたか自分でも訳が分からなくなることがある)

一般的な使用は ソーラーパネル+チャージコントローラー+バッテリーで十分。 




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